考えるために書く、文章の手引き
 
【レポートに便利な本】
戸田山和久 『論文の教室』(NHK ブックス、2002 年)
木下是雄 『レポートの組み立て方』(ちくま学芸文庫、1994 年)
必要に応じてレポートの基本的なきまりごとを確認するのに、適当なものを一冊買って おくといいですね。木下本は、レポート本のスタンダード。戸田山本はくだけていて読みやすい。どちらでも。
 
【書く動機に気づく本】
山田ズーニー 『あなたの話はなぜ「通じない」のか』(ちくま文庫、2006 年)
コミュニケーション技術が中心。山田さんの本はどれも、「おとながちゃんと本音で生きるための技術」がてんこ盛りです。
藤野美奈子 『考えることで楽になろう』(メディアファクトリー、2003 年)
ジャンルで言えば、「あるあるネタ」を得意とする漫画家さん。考えるコツもつかめる かもしれない一冊、この本は漫画ではありませんが。
 
【思考をきたえる本】
岡田寿彦 『論文ってどんなもんだい』(駿台文庫、1991 年)
高校生向けの参考書ですが、論の組み立て方がよくわかる。
苅谷剛彦 『知的複眼思考法』(講談社+α文庫、2002[1996]年)
苅谷さんは現在バリバリ活躍中の社会学者。読書のしかたから説明してくれている。
野崎昭弘 『詭弁論理学』(中公新書、1976 年)
論理学方面の問題集はいくつか出てるんですが、正直めんどうくさい。この本くらいだ と気軽に読んで楽しめるかな、と。
 
【表現を意識する本】
梅田卓夫 『文章表現四〇〇字からのレッスン』(ちくま学芸文庫、2001 年) 文芸方面までカバーしつつも、わけの分からない説教はなし。文章表現がもつ可能性の 幅を教えてくれる良書。
高橋昭男 『仕事文の書き方』(岩波新書、1997 年)
正確な文章を書くポイントを指摘。すっきりとした実用本位が気持ちいい。
阿部?人(しょうじん)『俳句四合目からの出発』(講談社学術文庫、1984 年)
タイトルからはちょっと想像のつかない面白さ。痛快すぎて笑います。
 
【文章本の極北】
斎藤美奈子 『文章読本さん江』(ちくま文庫、2007[2002]年)
「文章読本」の研究、特に学校教師は必読。必読かつ必笑という希有な一冊。
塔島ひろみ 『楽しい「つづり方」教室』(出版研、1994 年)
編集部が「普通の文章読本をお探しの方はお買い求めになりませんよう」と注意書き。 その注意書き以外は、最初から最後までシュールという徹底ぶりがよろしいです。
 
[Nov/2009]

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