副題「山里の火災死:限界集落から集落の消滅へ」、地域産業総合研究所、2022年。高知城歴史博物館『仁淀川流域の歴史と文化』に続き、高知県仁淀川に関連の書を手にとる。

高知市帯屋町の金高堂という書店で購入。この金高堂は、大々的に人文書フェアをやっていて、好感のもてる地方書店だった。同音異字の書店、仙台の金港堂書店本店が閉店してしまっただけに(?)、ぜひがんばってほしい。余談。

本書は、かつてこの地域の調査研究をしたことのある著者が、2021年2月に仁淀川町別枝で独居高齢者が孤独焼死したことに衝撃を受けて、友人たちとやりとりをした書簡をまとめるとともに、この地域に関する過去の調査や地元の人の回顧談をまとめたもの。

第1部 文通による感想集
第2部 高知県における山村の変貌
 Ⅰ 仁淀川別枝の変貌
 Ⅱ 県下山村のそれぞれの一局面
 Ⅲ 日本資本主義の異常な発展過程の結果としての「高度成長」と農山村の衰退
第3部 「課題先進県」における6次産業化の意義。

みな、農山村と日本の将来を憂いながら、社会の流れを止められない現状がある。過去の記録や回顧談も、「以前」の山村の様子を語っていろいろ興味深いが、同時に生活の変化がどれほど急激だったかを感じさせる。 

[J0525/241019]