鈴木尚子訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2007年、原本2005年。スピリチュアル本の紹介本をさらに斜め読みに眺めて、本書に紹介されている「師」の面々から怒られること必至の所業。もっとも、そもそもが「五分で分かる」と銘打うった、『世界の成功哲学50の名著』『世界の自己啓発50の名著』に続く同著者によるシリーズ。こういうリストを眺めると、ほんとう、いろいろな世界があるものだと思う。

おもしろいのは、既存の宗教からたんに距離をとるというのではなく、さまざまな宗教伝統と繋がりながら「スピリチュアル本」が数えられ作られているというところ。以下、網羅的ではなく、古典も省いてあるが。

  • イスラム教:アサド『メッカへの道』、マルコムX『自伝』、シャー『スーフィーの道』
  • キリスト教:チェスタトン『アシジの聖フランチェスコ』、ウォレン『人生を導く五つの目的』
  • 仏教:チョドロン『チベットの生きる魔法』、ヘッセ『シッダールタ』、ハン『マインドフルの奇跡』、鈴木俊隆『禅へのいざない』、トゥルンパ『タントラへの道』
  • ヒンドゥー教:ヨガナンダ『あるヨギの自叙伝』
  • ユダヤ教:ヘッシェル『シャバット』、マット『カバラの神髄』
  • ケルトやウィッチクラフト:オドノヒュウ『アナム・カラ』、スターホーク『聖魔女術』
  • アメリカ先住民:ナイハルト『ブラック・エルクは語る』(カスタネダより以前のもよう)、ルイス『四つの約束』

いろんな世界がありますだ。

[J0546/201212]