1972年の作品、新潮文庫、1982年。
「日本老人表象史」に名高い有名作をようやく読みとおす。まず、リアルな時代背景・社会背景がよく描かれていて、興味深い。そして驚いたのは、小説作品としての完成度の高さ。僕はふだん小説やドラマを読まないし、そちら方面の分析はとくにするつもりもないのだが、相当綿密に組みたてられた小説だろうことはわかる。単純に読み物としておもしろいのだ。茂造の「病状」や介護する昭子の心理にも展開/転回がある。
茂造ゆうても、辻本茂雄のとは関係ないだろうね、きっと。新潮文庫カバー絵は猪熊弦一郎。
[J0571/250304]
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