東郷えりか訳、集英社新書、2006年。講演録などのセレクション。
安全が脅かされる時代に(2003年)
人間の安全保障と基礎教育(2002年)
人間の安全保障、人間的発展、人権(2003年)
グローバル化をどう考えるか(2002年)
民主化が西洋化と同じではない理由(2003年)
インドと核爆弾(2000年)
人権を定義づける理論(2004年)
持続可能な発展―未来世代のために(2004年)
「〈人権〉の宣言は本質的には倫理上の表明であって、何よりも、一般に考えられているような法的な主張ではないのです。これについては、ジェレミー・ベンサムがそれを法的な主張とみなして、執拗に攻撃したために、かなりの混乱が引き起こされています」(138)。
「たとえば、拷問されない権利は、すべての人が拷問から解放される自由の重要性から生じるものです。しかし、そこにはさらに、「あらゆる人を拷問から解放するために、ほかの人は何ができるのかを考えなくてはならない」という主張も含まれています」(138)。
「〈人権を定義づける理論〉は、今後も検討や討論、論争を重ねる余地を残しうるものなのです。開かれた〈公共の論理〉という取り組みは、〈人権〉を理解することの中心です。・・・・・・議論の余地のある分野を許容することは、〈人権を定義づける理論〉としてなんら具合の悪い問題ではないのです」(140)。
[J0583/250511]
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