勁草書房、2003年。

序章 修業時代
第2章 ニューヨーク時代 一九七九年‐一九八二年
第3章 長い暗いトンネル 均等法前夜
第4章 鬼の根回し 一九八三年夏
第5章 審議会での審議 一九八三年秋‐一九八四年春
第6章 いよいよ国会の舞台に 一九八四年
第7章 雇用均等法の成立 一九八五年
終章 均等法の改正まで 一九八六年‐二〇〇〇年

1985年男女雇用機会均等法成立までの苦闘のようすを描く。赤松さんの活躍については、2000年「プロジェクトX」としても放映されている。均等法の内容より、当時における男性中心の政治社会のしくみがよく分かる。虚飾のない表現で、苦労を描いても明るいのは彼女の筆致。

いくつかのポイントを抜き書き。雇用機会均等法にはさまざまな女性団体からも反対があった。とくに、生理休暇廃止や女子保護規定廃止に対する反対。1984年には「男女雇用機会均等法は文化の生態系を破壊する」という反対意見が物議を醸す。夫婦別姓の件にも触れているね。

21世紀の地点からみた男女雇用機会均等法の「功罪」、とりわけ「罪」については、上野千鶴子『女たちのサバイバル作戦』(2013年)がなかなか辛辣に描いている。

[J0171/210705]