中公新書、2001年。2019年に吉川弘文館から復刊されている模様。

第1章 「ひるめし」の誕生
第2章 弁当の移り変わり
第3章 給食と食生活への影響
第4章 外食の発達
第5章 「ひるめし」と麺類
第6章 国民食のカレーライス
終章 「ひるめし」の行方

著者がプロの研究者ではないことが良く働いている面もあって、さらっと読める。雑学的におもしろい話、気づきのある話も多い。典拠はひととおり示しているので、そこは安心。

日本の外食は江戸時代からはじまったとあるが、直感としてはそれはないだろうという気がする。ほんとうに中世に外食はなかったのだろうか? ただ、外食を卑しむ意識がかなり重要な規制として働いてきたことはありそうだ。現代の話としても、いま住んでいる松江では、卑しまれることこそないけども、他の都市に比べると外食は「ふつうではない」といううっすらとした雰囲気を感じるときがあるのだな。それは、町のつくりや店のたたずまいから感じられる雰囲気で、立ち食いそばや牛丼屋などが立ち並ぶ、東京などとはちがう感じ。

[J0293/220912]