原爆を落とされた浦上は、キリシタンと被差別部落民が住んでいた土地であった。その複雑な問題に切り込んだノンフィクション。副題「長崎の被差別部落とキリシタン」、解放出版社、2016年。
第1部 原爆が投下された/水平社のまぼろし/生きていく青春/破戒/キリシタン弾圧と解放運動の出発
第2部 救世主あらわる/運命の浦上天主堂/真実を見よ
第3部 めぐり会った両者/幸いなる再会/神父
長崎に部落解放運動の組織をつくった磯本恒宣、スペインから来日し、二十六聖人記念館の初代館長となった結城了悟(もとの名はディエゴ・パチェコ)、磯本を継いで被差別部落とキリシタンの和解を模索した中尾貫を中心的に取り上げている。
歴史の裏に隠されがちな、複雑で底の深い問題を取り上げた一冊で、どうやらあまり類書もなさそうである。それだけに、典拠があちこち明瞭ではなく、記述も散漫な印象であるのがまったく惜しい。
[J0438/231216]
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