中公新書、2021年。

第1章 コミュニケーションを取る―「困難な意思疎通」とケア
第2章 “小さな願い”と落ち着ける場所―「その人らしさ」をつくるケア
第3章 存在を肯定する―「居る」を支えるケア
第4章 死や逆境に向き合う―「言葉にならないこと」を言葉にする
第5章 ケアのゆくえ―当事者とケアラーのあいだで

なるほどなるほど、良い本ですね。まあ、ほかにいっぱい人がほめるだろうから、僕はいいでしょう。たとえば、この本で引用されている文献の過半数はもうすでに読んだことがあったりするので、僕自身についてはあまり新鮮さはない。スレてしまってるね。部分的には、似たようなこと書いたりしたこともあるし・・・・・・。

医療や福祉という場所には強い職業的・業界的な規範が働いているだけに、このように現場の感覚をなぞって言語化することも大事な仕事なのはたしか。個人的な欲を言えば、たしかに経験談はちょこちょこ挟まれているけど、村上さん自身がどこに切実さを感じているのかが、もうすこし感じられるとよかった。そもそも、切実さみたいなものはないのか。ま、この本は新書だし、ほかの本を読めばいいのかな。『摘便とお花見』は読んだな、たしか。

[J0203/210922]