『山陰研究』1号、65-79頁、2008年。島根大学学術情報リポジトリのこちらのページから、ダウンロード可能。石岡学『「地方」と「努力」の現代史』(青土社、2020年)を眺めていて、存在を知る。

2002年に廃止された、益田競馬の歴史を馬主の方から聞き書きした記録をまとめたもの。もともとは地域の娯楽、花競馬からはじまって、競馬場が正式に開設されたのは1947年。後には、女性騎手のはしり、吉岡牧子といったスターも生んでいる。かつては農耕馬と兼ねていたとか言う話もおもしろいし、もともとは隠岐の牛突きを思わせるような雰囲気の地域行事であったことが分かる。かつては馬主と調教師と厩務員と騎手の区別はなかったが、それがだんだんと制約が厳格になっていった話だとか。益田競馬の盛衰をすべて経験してきた話者の、貴重な記録。

1 生い立ち・地域や家のこと
2 花競馬について
3 花競馬の思い出
4 花競馬の最後
5 高校の思い出
6 馬主をはじめた頃
7 馬と一緒に山仕事・田仕事
8 農耕馬としての利用をやめた時期
9 益田競馬、はじめのころ
10 当時の馬の世話
11 馬の世話ができなくなって
12 競馬から離れ農業に専念
13 馬主をやめていた時期の益田競馬
14 馬主を再開
15 共同購入・抽選馬について
16 益田競馬での賞金や出走手当など
17 競馬場廃止の兆候
18 益田競馬の廃止
19 益田競馬、最後の日
20 福山競馬のこと
21 いきがいとしての馬主

[J0220/211216]