プレジデント社、2018年。

第1章 小嶋千鶴子を形成したもの―その生い立ちと試練
第2章 善く生きるということ―小嶋千鶴子の人生哲学
第3章 トップと幹部に求め続けたもの―小嶋千鶴子の経営哲学
第4章 人が組織をつくる―小嶋千鶴子の人事哲学
第5章 自立・自律して生きるための処方箋
終章 いま、なぜ「小嶋千鶴子」なのか?

今年先月、2022年5月20日に106歳で亡くなられた小嶋千鶴子は、弟の岡田卓也とともにジャスコ、イオングループを創業した経営者。1916年二、四日市の老舗呉服店に生まれ、23歳からその岡田屋呉服店の代表取締役に就任。アメリカのショッピングセンターに学びながら、1969年に、兵庫のフタギや大阪のシロとの合併を進めるなかで、ジャスコを設立した。ウィキペディアでは、パートタイム制の導入と説明されているが、この本では、1972年に「ニューホリデイシステム」というフレックスタイム制を導入したとある。

小嶋千鶴子の歩みが描かれているのは第1章だけで、あとはその経営哲学を示したお言葉の説明が続く。近現代日本におけるショッピングセンターの設立という意味でも、あるいはこの時代における女性経営者の活躍という意味でもとても興味ぶかい人物なので、より詳しい評伝の登場が望まれる。

[J0271/220611]