副題「発想・思考を生み出す技法」、講談社現代新書、2000年。

第1章 編集は誰にでもできる
第2章 編集は遊びから生まれる
第3章 要約編集と連想編集
第4章 編集技法のパレード
第5章 編集を彩る人々
第6章 編集指南・編集稽古

まずもって、およそ情報を扱う営みのすべては編集であるという見方をすえたところに、セイゴオさんの才気がある。

「地の情報」と「図の情報」という区別は、すぐにでも使えそう。こうした区別に言葉を与える手管はさすが。

もうひとつ印象に残った点、「私は知というものをテイストで分けている」(179)。
「そのテイストは、たとえば次のようになっている。
  ワインのように冷やしてグラスで飲む知。
  檜の桶になみなみと注げるような知。
  一輪の椿のように竹筒にいけたくなる知。
  その知とともに短距離ランナーのように疾走したくなる知。
  その知にパウル・クレーの震える線を与えたくなる知。
  昆虫標本のようにきっちりピンで刺したくなる知。
  サスペンス映画にしたくなるような知。
  なるべく表現しないままに風呂敷に包んである知。
  小声で隣の人だけに語る知。
  イサム・ノグチの石塊のようにまるごとでひとつになる知。
  舞台に立ったら蘇ってくる知。
  いつまでも書き込みしていたい知。」(179-180)

「なぜ、こんなふうになっているかというと、もともと編集にもTPOがあるからだ」(180)。

[J0311/221116]