鏡リュウジ訳、柏書房、1994年。もちろん実体的に読む人もいるんだろうけども、天使の表象史・文化史として成立している。「古代から現代にいたるまでの、天使の伝承、伝説を収集した一種のアンソロジーである」とのこと。

第一部 天使学入門
第二部 現代天使体験

現代世界において、地獄の観念や罪・罰の観念が衰退してきていることには数多く指摘がある。その分、善良な存在としての天使が台頭してきたとしてもふしぎはない。この本には臨死体験における天使を扱った章もあるが、むしろ、なぜ現れてくるのがなぜ友人や親族ではなく天使なのか、あるいは同じく、 天使でなくて友人や親族なのかという問いを立てることができるだろう。

[J0036/200505]