小学館、1995年。

第1章 仏の顔も三度まで、さわらぬ神に崇りなし―祈願のかたち
第2章 お正月さまゆらゆらござった―カミ迎えの構図
第3章 ご先祖さまへの申はわけ―供養とまつりの意義
第4章 おばけが出るところ、カミが棲むところ―視覚・心象の聖地化
第5章 お神酒あがらぬカミはなし―直会と宴会の習俗

この著者の『峠をこえた魚』(福音館、1985年)が好きで、この本も読んでみる。この本は、 著者が熟達しているはずの生活史や個人史に対するアプローチというのはまったく入っておらず、日本人の信仰をまるっと扱う、昔ながらの民俗学入門。読み物としてはおもしろい。民俗学全般がそうであるように、研究としてどう扱うかは難しいところだけども・・・・・・。タイトルにあるように、「神さま、仏さま、ご先祖さま――その三位一体の観念こそが、私ども日本人の「宗教観」であるというのがふさわしいのだ。さらに、それをもって、「ニッポン教」としよう」(18)と述べている。

この本が出たのが25年前。今ではこうした民俗学もいよいよ難しくなった。あとそれから、イラストが沢野ひとし。

[J0052/200607]