光文社新書、2020年。

序  章 なぜCMは炎上するのか
第1章 子育てママの応援かワンオペ礼賛か    
第2章 ファッションや化粧品のCMは難しい?
第3章 何が「性的」とみなされるのか?
第4章 「はたらけ!」といわれる男たち
第5章 マイノリティと言葉の政治
第6章 履いている下駄の高さ
巻末付録 広告の“炎上”史

炎上広告を、訴求対象の軸「女性を応援・共感したつもり」―「男性の欲望の表出だった」と、炎上ポイントの軸「性役割」――「外見・容姿」という二軸からなる四象限で分析しているところは、たしかになるほど感がある。

でも、それだけかも? ジェンダー不平等がなかなか改善されない日本社会という認識はよくわかるし共感する。が、本書のCM分析と記述は徹頭徹尾その認識に沿った批判で、意外性や発見がないかも。

あとがき末尾には、「私にとってのゴールは、この本のメッセージがCMにかかわる男性たちと、全国の女子高生たちに届くことです」とあるので、ま、僕みたいのは最初から対象外なのかな。

[J0061/200728]