こげな論文を書いたときのメモ書き。http://ir.lib.shimane-u.ac.jp/49447

このブログまでたどりつく人がいるのかどうか分からないが、ALSがまた話題になっているところで、なにかの参考になるかもということで、私的なノートをそのまま貼っておきます。抜き書きについて正確性はまったく保証しませんので、なにかに使うときは必ず元論文を確認してください。

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ALS先行研究ノート――ALS患者の数的把握

●Mechanical ventilation in amyotrophic lateral sclerosis: a cross-cultural perspective.  Borasio, CD ; Gelinas, Df ; Yanagisawa, N., Journal Of Neurology, 1998 Aug, Vol.245 Suppl 2, pp.S7-S12
・ 人工呼吸器について、北米、欧州、日本を比較。といっても、日本は先行調査ふたつの紹介がほとんど。
・ 「三つの全国的調査」とあるが、実質ふたつ。1995年の調査(Yanagisawa, Shindo, Momoi el al. 1996)、696人中171人人工呼吸器装着=24.5%(ジャルサ29号、1993年)。1993年のALS協会の調査677票回収、48%が人工呼吸器装着。
* 引用されているのは、これっぽい。筋萎縮性硬化症の予後-班関連施設における全国集計調査-柳沢信夫/厚生省特定疾患神経変性疾患調査研究班1995年度研究報告書・厚生省特定疾患神経変性疾患調査研究班1995年度研究報告書, 253-255, 1996

●柴崎 智美, 永井 正規, 阿相 栄子, 中村 好一, 柳川 洋, 川村 孝, 大野 良之「難病医療費公費負担制度による医療費受給者の解析」日本衛生学雑誌 1998 年 52 巻 4 号 p. 631-640
* ちょっと古く、また後続の論文もあるようだが、各地域ごとにどういう病院(たとえば隣県であったり)を受診しているかといったデータは意味がある。

●渕上 博司, 永井 正規, 仁科 基子, 柴崎 智美, 川村 孝, 大野 良之「難病患者の実態調査 —1997年度特定疾患医療受給者全国調査の解析—」2002 年 49 巻 8 号 p. 774-789

●渕上 博司, 永井 正規, 仁科 基子, 柴崎 智美, 川村 孝, 大野 良之「難病患者の受療動向 1997年度特定疾患医療受給者全国調査の解析」日本衛生学雑誌、2003 年 58 巻 3 号 p. 357-368
・ この時代(1997年とそれ以前)のものではもっとも包括的・基礎的な分析のひとつ。

●桃井浩樹、進藤政臣、柳澤信夫、田邊等、水野美邦、高橋桂一「本邦における筋萎縮性側索硬化症の病勢経過」『神経研究の進歩』48巻1号、2004年、133~144頁
・ 厚生省特定疾患神経変性疾患調査研究班調査
・ 1985年以降10年間ALS死亡例698例
・ 発症年齢の平均58.8±10.8歳、男性58.2±10.3、女性59.7±11.3=ちがいなし
・ 男女比1.4:1
・ 死亡年齢の平均62.3±10.3歳、男性61.6±9.8、女性63.1±10.8
・ 気管切開施行、612例中164例
・ 呼吸器管理(気管切開もしくは呼吸器装着)あり198例全経過49.1±37.2ヶ月、
・ 呼吸器管理(気管切開もしくは呼吸器装着)なし342例全経過35.8±31.1ヶ月、

●主任研究者:川村佐和子・ALS患者にかかる在宅療養環境の整備状況に関する調査研究 : 報告書 : 平成15年度厚生労働科学研究費補助金(厚生労働科学特別研究事業)、2004年、政府刊行物
*もちろん重要な基礎情報。
・ 協力患者への調査と、保健所に対する調査
・ H14申請者6646に対して調査での総数5771人、内、人工呼吸器1530人(26.8%)
・ 保健所の活動の様子に関する調査
・ 吸引問題への取り組み状況
・ 療養者の調査、カテゴリー「人工呼吸器使用」「長期療養者(*入院)」「在宅人工呼吸器使用」
*カテゴリーの分け方は参考になる。
・「人工呼吸器使用」779人中:男67.9、女32.0;平均年齢62.49±10.16歳、ADL、吸引95.0、胃瘻68.9など。主な介護者、人数。家族構成、コミュニケーションの状況と手段;過去一年間の入院;気管切開ありは95.6;医療費の助成;各種サービスの利用;かなり細かな人工呼吸器の機種やタイプ;吸引の主体
*鼻マスクを含めると、気管切開=人工呼吸器ではない
*吸引のことが相当重視されている。
・「長期療養者」294人中:男50.7、女49.3:平均年齢67.13±10.74、ADL;吸引88.5、胃瘻52.4など。主な介護者、人数。家族構成、コミュニケーションの状況と手段;気管切開ありは95.6;医療費の助成
・「在宅人工呼吸器使用」683人中:男66.0、女33.1;平均年齢62.79±10.33歳、在宅療養期間;医師の説明;吸引の主体
・73ページ以下に、再度まとめ。

●藤田真樹、池田恭敏、米岡沙織、村木敏明、海野幸太郎「茨城県におけるALS在宅療養の実態と介護者の介護負担感」『茨城県立病院医学雑誌』23号57~66頁、2005号.
・平成14年末で、特定疾患医療受給者ALS112名のうち、在宅が基本で同意が得られた58名から、36名の有効回答
・男性24(67%)、女性12(38%)、年齢男性61.1±2.0歳、女性59.1±3.0
・介護保険、要介護度
・呼吸器+経管栄養15名42%、経管栄養のみ3名8%、呼吸器のみ3名8%、両方未使用15名42%
・意思伝達手段
・主介護者
・負担に感じる介護
・介護時間:9時間以上が半数以上

●永井 正規、太田 晶子,  仁科 基子, 柴﨑 智美「電子入力された臨床調査個人票に基づく特定疾患治療研究医療受給者調査報告書」厚生労働科学研究難治性疾患克服研究事業・特定疾患の疫学に関する研究班、2005年.
*太田晶子他「臨床調査個人票から得られる難病の発病年齢」(2007)の元データ。
*Ciniiでみると、2007年度受給者分の報告書がある。
*このあたりをもう少し探してみるといい。筋萎縮性側索硬化症あるいは神経変性疾患領域における基盤的調査研究で。 https://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NISR00.do
・特定疾患研究班の調査(悉皆):1984年度、1988,1992、1997
・2001年度から臨床調査個人票が電子入力に
・基本は、2003年入力のものをもとに
・ALSは3158人、男/女=1.51(=太田他2007)
・五歳ごとの年齢階級・男女別(表2-4)
・都道府県別・男女別(表2-5、2-6、2-7)
*貴重かも。
・発病年および初診年および認定年・男女別
・初診後期間平均・男女別
・発病から初診までの期間の平均値と標準偏差(p.96):総数平均2.0年、SD3.5/男性平均2.2、SD3.7/女性平均1.9、SD3.1
・初診から初回認定までの期間の平均値と標準偏差(p.97):総数平均0.7年、SD1.8/男性平均0.7、SD1.9/女性平均0.6、SD1.7
・医療保険の種類別
・受診状況(101):総数で、主に入院20.6、半々9.1、主に通院47.5、往診あり17.2、入通院なし0.7、そのほか2.4
・受診状況(102):男性で、主に入院18.4、半々9.2、主に通院48.4、往診あり18.7、入通院なし0.6、そのほか2.5
・受診状況(103):総数で、主に入院24.0、半々9.0、主に通院46.2、往診あり15.0、入通院なし0.8、そのほか2.1
・身障手帳の取得状況・等級、介護認定有無
・就労等の社会活動状況、そのうち、在宅療養、入院、入所:総数の在宅療養57.2、入院23.8、入所2.1(p.116)/男性の在宅療養59.4、入院21.5、入所1.2(p.117)/女性の在宅療養53.9、入院27.1、入所3.5(p.118)
・日常生活
・家族歴:あり0.4、なし18.1、不明81.5
・年齢別グラフ(図3-8-1、p.133)→女性の方が好発年齢が遅い(→太田他2007)
・188-9頁、年齢階級別の身障手帳の取得や、介護認定状況など、一覧*↑該当項目に関しては、こっちのほうが前半の表より便利

●太田 晶子, 永井 正規, 仁科 基子, 柴﨑 智美, 石島 英樹, 泉田 美知子「臨床調査個人票から得られる難病の発病年齢」『日本公衆衛生誌』54巻1号、3~14、2007年
*永井 正規、太田 晶子,  仁科 基子, 柴﨑 智美「電子入力された臨床調査個人票に基づく特定疾患治療研究医療受給者調査報告書」からの論文。
*2003年受給者の臨床調査個人票を利用。ただし、入力されていない・一部だけの都道府県もあるので、患者の全体ではない。
*古いデータの出典も役に立ちそう。
・用いられてきた難病患者数の把握法①厚労省実施の患者調査、②難病の全国疫学調査、③特定疾患治療研究医療受給者調査、④地域保険・老人保健事業報告の利用(3頁)
*→川村(2004)の調査は①に入るのか?ALSに特化だから⑤独自調査としてもいいのか。
・ALSは3158人、男/女=1.51、好発年齢70~74歳
・下、発病年齢のパーセンタイル値(歳)、10%、25%、50%、75%、90%、平均値、標準偏差、好発年齢
・男1845人、42,51,60,67,73,58.6,±12.3 男50~69歳
・女1223人、43,52,62,70,75,60.1,±13.3、女55~74歳

●太田 晶子, 永井 正規, 仁科 基子, 柴﨑 智美, 石島 英樹, 泉田 美知子「特定疾患医療受給者の実態 疾患別・性・年齢別受給者数とその時間的変化」日本公衆衛生雑誌、54 巻 (2007) 1 号2007 年 54 巻 1 号 p. 32-42
・ALS受給者数比、1988/1984=1.63、1992/1988=1.23、1997/1992=1.55、2002/1997=1.37(p.34);20歳未満は性差が少なく、20歳代以降は男が女より多い
・地域別の分析はない

●吉田 邦広, 矢彦沢 裕之, 田畑 賢一, 大原 慎司, 羽生 憲直, 池田 修一「長野県在住の筋萎縮性側索硬化症患者の臨床的重症度と療養実態」『信州医学雑誌』2007 年 55 巻 4 号 p. 181-190
・長野県での特定疾患申請提出・更新の患者、136名に対する2006年実施調査
・気管切開は39/136=28.7%、内34人が人工呼吸器。
・気管切開をせずに非侵襲的陽圧換気を受けている患者は7/136=5.1%。
・呼吸困難ありでも気管切開、人工呼吸器、非侵襲的陽圧換気いずれもないのは20/136。
・在宅率は99/133=74.4%、入院・入所率は34/133=25.6%
・気管切開+人工呼吸器34名のうち、19が在宅(55.9%)、12が入院・3が入所(44.1%)。
・TLSは6名、在宅2、入院3、入所1。
・発症年齢
・長期生存群:10年以上26名

● 平野優子・清水準一「在宅人工呼吸療法を行うALS患者の医療・福祉サービス利用状況と地域差」『日本難病看護学会』12巻2号、2007年、156~164頁
*データセットは平野(2010)と同じか。
・地方ブロックごとの、サービスや制度利用状況の分析。

●日野創「筋萎縮性側索硬化症患者の在宅ケア」The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine、2008年、55:556-563
*簡便な国際比較とそのソースが出ていて有益。木村(2016)がより拡張したソース紹介。
・各国のALS患者のTIV装着率と、そのソース:米国2、カナダ1.5、イタリア、デンマーク、スペイン30%(559);背景として保険による全額補助

●牛久保美津子「ALS療養者における人工呼吸器非装着の選択にいたった意志決定状況」『難病と在宅ケア』14(1)、2008年、43-46
・またびきになってしまうが、群馬県の状況について、H19.3末で在宅ALS療養者は121人、そのうち人工呼吸器は31名=25.6%、さらにそのうちNPPVは13人、TPPV=侵襲的人工呼吸療法が18名

● 平野優子「在宅人工呼吸療法を行うALS患者における身体的重症度別の医療・福祉サービスの利用状況」『日本公衆衛生誌』57巻4号、2010年、298~304頁
・一般的なデータとして、人工呼吸器の使用率26.8%
*根拠は小西(2004):人工呼吸器装着ALS患者の在宅療養環境の整備状況と課題(会議録) Author:小西 かおる(東京都医学研究機構東京都神経科学総合研究所 難病ケア看護研究部門), 石井 昌子, 板垣 ゆみ, 小倉 朗子, 長澤 つるよ, 兼山 綾子, 川村 佐和子, 水野 優季, 上野 桂子 Source:日本難病看護学会誌(1343-1692)9巻1号 Page74(2004.07)。見れてないが、どのデータ?会議録とあるが?
・支部経由で人工呼吸器使用患者の調査、2003年、回収197票、分析は在宅で人工呼吸の139ケース
・重症度
・男性69.1女性30.9、年齢60.8±9.3、人工呼吸器装着年数4.6±3.4、主介護者の属性、年齢、経済状況、訪問看護と介護、支援費、吸引行為、レスパイト、入浴頻度
・外出頻度もある(302頁)

●小林明子「難病ALS患者をとりまく療養環境の変遷」『福井県立大学論集』34号、13~41頁、2010年
*今回の報告論文にはさほど関係しないが、ALS関係の制度の歴史などが有益。
・福井県で、訪問看護ステーション利用者の内、人工呼吸器装着者は、2005年で65.4%(17名)、2006年で50%(14名)、気管切開利用者はそれぞれ2

●小林良清「長野県の筋萎縮性側索硬化症(ALS)在宅人工呼吸器装着患者の療養状況と支援の課題」『信州公衆衛生雑誌』6巻1号、2011年、58~59頁
・H22年9月末で特定疾患受給の170人のうち、在宅呼吸器装着24名
・年齢/要介護度/レスパイト入院/外来受診・訪問診療・訪問介護・訪問看護
・災害時の備え
・病気受容/障害の状況
・酸素吸入8、胃瘻1、経鼻経管栄養1、尿カテーテル17
・意思伝達の方法:筆談3、パソコン7、文字盤8、表情1
・主介護者:配偶者23、子1
・在宅呼吸器の男女比は3:1、全患者170では1.4:1

●市川 由布子, 角田 由華, 西川 智子, 藤掛 彰史, 福岡 敬晃, 徳井 啓介, 丹羽 淳一, 泉 雅之, 中尾 直樹, 道勇 学「愛知県下筋萎縮性側索硬化症患者の在宅療養実態に関する検討」『臨床神経学』2012 年 52 巻 5 号 p. 320-328
・愛知県保健所での調査、保健師、平成21-22:17保健所148例
・ADL
・生命維持補助:呼吸補助43/132、非侵襲的陽圧呼吸18,人工呼吸器25(19%)
・意思疎通:可能123/128、会話可能82、会話困難41
・専門医とかかりつけ医
・身障および介護保険申請
・介護者
・居宅サービス:98/128、訪問看護64
・レスパイト入院

●田島可奈ほか「地域ケアアセスメントの指標から見たALS患者の在宅療養環境について」(ネット上資料×2)
http://www.msuisin.jp/upimg/20130619134239F_1.pdf
・宮崎市をのぞく宮崎県内ALS患者69名のうち、53名の調査;「地域ケアアセスメントの指標」;データはH25年2月末
・在宅は53(76.8%)
・ADL、特定症状、医療処置
・医療処置:吸引19(35.8%)、経管栄養19(35.8%)、人工呼吸器12(22.6%)、気管切開11(20.8%)
・レスパイトの利用率:53%;保健所別もあり
・「地域ケアアセスメントの指標」の利用例。

●木村文治「筋萎縮性側索硬化症:人工呼吸器装着の背景因子と予後分析」『臨床神経学』56:4(56:241-247)2016
*簡便な国際比較とそのソースが出ていて有益。日野(2008)と共通。
・データソースは、1990-2013年の自験例、190例
・2000年前後に高齢化や社会的注目の高まり
・人工呼吸器装着に関する条件の分析。家族、性別、年齢など。誰が装着するかについて有益。また、意志の有無。
・人工呼吸器装着による予後。
・性別による差はなしと。★
・配偶者は予後に影響
*医学寄りの英語論文の入り口にもなる?
*日本の総体データは、日野(2008)同様、Borasio(”Mechanical ventilation”1998)(PDFファイルあり)。この人のような医学寄りの人も、1998年のデータに頼っていることが分かる。

●「指定難病患者データベースの現状と利活用の提言」(ウェブ上資料)
・難病データの概要
・H19年に改正
・入力率は全国で60%未満:自治体がデータ入力作業まで実施できない、一次診断機能が不正確
*要は、これが動けば、かなりの部分はフォローできる。しかし、タイムタグは生じるか。

●中村 好一研究代表者、厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)「難病の患者数と臨床疫学像把握のための全国疫学調査マニュアル」第3版、2017年・難病の全国疫学調査の種類と、それぞれの限界:(1)人口動態統計、(2)患者調査、(3)日本病理剖検輯報、(4)難病医療費助成制度、(5)健康保険診療報酬明細書および診断群分類別包括支払い制度など

――そのほかのテーマ

●川村佐和子「難病看護の歴史的背景と現状、今後の課題」1997年
・当時における難病看護の概要。

●松下祥子他「神経系難病における地域支援体制に関する評価」『民族衛生』72巻2号、47-58、2006年
*患者の調査にはあまり関係がないが、保健所を対象にした支援体制の大規模調査。

●中山優季「筋萎縮性側索硬化症在宅人工呼吸療養者の社会参加としての外出を促進する要因の分析」日保学誌、9-4、2007年、pp.225-237
*類例の少ないこのテーマの論文としては、サンプル数も多く、重要。

●井村保「平成22年度厚生労働科学研究費補助金障害者対策総合研究事業(身体・知的等障害分野). 重度障害者意思伝達装置の支給と利用支援を包括する. コミュニケーション総合支援施策の確立に関する研究.」2011年
*概要や先行研究がまとめられている点で、助かる。
・難病対策の歴史、スモンがきっかけ、1972年10月に難病対策要綱、ALSは1974年10月に特定疾患治療の対象疾患に。1985年に「地域保健医療の推進」が謳われる。1996年に大きな変更「地域における保健医療福祉の充実・連携」および「QOLの向上を目指した福祉施策の推進」。1998年度から難病患者地域保健医療推進事業(1992年)を改変充実して「難病特別対策推進事業」を創設、2001年度からは「神経難病患者在宅利用支援事業」も加わる。「QOLの向上を目指した福祉施策の推進」には、「難病患者等福祉推進事業」(1996からは「難病患者等居宅支援事業」)(p.23)
*ソースとして、『2009年「国民衛生の動向」』
・↑これだけでなく、介護保険、障害者福祉の流れも
・総合して、転換期:1996年度以降に難病(特定疾患)対策が大きく変わった;1998年度に介護保険制度がはじまった;社会福祉構造改革をうけて、2003年度から支援費制度(2006年度からは障害者自立支援法)が始まった。(p.24)
・介護負担に関する先行研究の詳しいレビュー
*↑有益。
・「在宅ALS患者の現状」隅田好美、近畿における編年変化もあって有益(*だが、元論文は未入手、Ciniiにもない、古すぎるという扱いか)
・介護保険に伴ったALS患者への支援活動–保健所難病事業のあり方を考える (特集 難病と共に生きる)澤田 甚一 , 安達 国良 , 高野 正子 公衆衛生 64(12), 865-868, 2000-12、医中誌Web  被引用文献2件
*↑これも図書館から送ってもらうかする?表としてまとまっているなかに、MV装着の項目がある。

●「平成30年度版 「難病の地域診断ツール」記入の手引き」
・H11に難病特別対策推進事業開始、保健活動に「難病患者地域支援対策推進事業」
・H27年1月「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」:「都道府県、保健所を設置する市又は特別区は、難病患者地域協議会を置くように努めるもの」
・「在宅人工呼吸器使用患者支援事業」(H28-3-30)実施主体は都道府県(p.21-)
・難病対策事業の実施状況一覧(p.23)-
*助かるわー          

――尊厳死との関わり

●川口有美子、的場和子、片山智也、サトウタツヤ、立岩真也、「在宅ALS患者と家族のための緩和ケアに関する調査研究――在宅非悪性疾患患者への緩和ケアサービスの適応に向けて彼らは今現在どのような日常を過ごしているのか――」,2005年度助成、財団法人在宅医療助成勇美記念財団、完了報告書2006年
*メインは質的調査。今回のレポート論文にはかかわらないが、安楽死との関連で重要。
・「終末期」の理解の問題にも言及(13)
・「自己決定権による治療停止は認められるというが、ALS患者にとれば実質的には自殺であろう。その意味ではALS患者にのみ自殺が容認される根拠は示されるべきではないか」(25)
・「呼吸器装着という医療技術介入で、延命可能な病態である。そういった意味で、延命に対しての有効な介入手段が存在しない、がんにおける終末期と同様にALSの呼吸不全を同列に論じることはできない」(49-50)
*イギリスのALSへの疑問、山本真「Dr.山本の主張」2006年12月2日http://www3.coara.or.jp/~makoty/advocate.htm
*関連して「新しいALS観」→林(2005)

●林秀明「ALS患者の生命をどのように考えるか」『難病と在宅ケア』11-5、2005年
・尊厳死との関わり、新しいALS観

――追加

●中山優季、板垣ゆみ、原口道子、小倉朗子、松田千春、小森哲夫「「在宅人工呼吸器使用患者支援事業」の実績報告書の分析」(厚生労働行政推進調査事業費補助金(難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業))『難病患者の地域支援体制に関する研究 平成28年度総括・分担研究報告書』2017年、pp.76-82)
・特定疾患対策研究班が収集;事業利用の実績
・平成21-27年度、21~14県(事業実施は2015年で45都道府県)
・利用者中ALS患者は約9割

●最新のものは中山優季、板垣ゆみ、原口道子、松田千春、小倉朗子、小森哲夫「在宅人工呼吸器使用患者支援事業の利用状況と提供された看護内容」『難病患者の総合的支援体制に関する研究 平成30年度総括・分担研究報告書』、2019年、pp.57~66
・平成29まで、18都道府県;ALSは80%以上
・ただし都道府県別の特徴はない
・人工呼吸器使用難病患者の9.2%が使用との推計