名古屋大学出版会、2017年。副題は「生活からの経済史入門」、これは良い。こんな概説書がほしかったというような種類の本、読んでいておもしろいし、経済史とあるけども、社会史に関心のある人にもお勧めでは。

序 章 身近な生活から地域の環境を考えよう

第Ⅰ部 地域社会と生活
第1章 家族・地域社会と経済活動
第2章 災害と飢饉
テーマⅠ 社会史の方法

第Ⅱ部 自然環境と生活
第3章 森林資源と土地所有
第4章 エネルギーと経済成長
テーマⅡ 進歩と環境

第Ⅲ部 近代化と生活
第5章 人口で測る経済力
第6章 健康と医薬
第7章 娯楽と消費
テーマⅢ 共同体と近代

第Ⅳ部 社会環境と生活
第8章 教育と労働
第9章 法と福祉
第10章 帝国と植民地経済
テーマⅣ システムという発想

終 章 競争と共存から未来を思い描こう
入門ガイド 文献史料と統計資料

概説書なのだけど、個別事例を大事にしながら論を進めていて、リアルな状況がうかがえると共に、その辺をもっと調べてみたいという刺激を与えてくれる。『日本経済の歴史』、『世界経済の歴史』という本の続編らしいから、そちらも一度目を通してみたい。

[J0126/210122]