朝日出版社、2015年。

問1 本作りって、なにから始めればいいでしょう?
問2 自分だけの編集的視点を養うには?
問3 なぜ「ロードサイド」なんですか?
問4 だれもやってないことをするには?
問5 だれのために本を作っているのですか?
問6 編集者にできることって何でしょう?
問7 出版の未来はどうなると思いますか?
問8 自分のメディアをウェブで始めた理由は?
むすびにかえて ―― 「流行」のない時代に

長年、都築さんの仕事には、何度もおもしろいと唸らされてきたその都築さんのロング・インタビューを、いまさらながら拝読。都築さんが凄いことはじゅうじゅう承知していたつもりだが、先日、池本喜巳さんという鳥取でこつこつ写真を撮ってきた方の仕事を発掘して紹介している『近世店屋考』という本をみつけて、あらためて凄いなと感じた折。この『圏外編集者』を読み、ArT RAMDOMシリーズの一冊として、アウトサイダー・アートの本を日本で一番早く出版したのも彼だったと知る(1989年)。

テレビなどで見かけるご本人の印象は、ぼそぼそと話す感じで、仕事の印象とちがうなと思っていたが、この本の語りから受ける印象はまたちがう、こん畜生な反骨精神がビンビンと。「苛立ちと危機感」が本作りのモチベーションだとのこと、もちろん、対象に対する感性と愛情がそもそもの基盤になっているわけだろうけど。

――「どうやってネタを探すんですか」と、「どうやったらそういうふうにスキマ狙いできるんですか」というのが、インタビューを受けるときの二大質問かもしれない(笑)。ここで声を大にして言いたいのは、『TOKYO STYLE』のときからスナックの取材にいたるまでずっと、僕が取材してきたのは「スキマ」じゃなくて「大多数」だから。

なるほど。薄いポピュラーじゃなくて、濃ゆいポピュラー。

[J0151/210501]