中公新書、2010年。

序章 スイーツ・ロード旅支度
1章 カカオ・ロードの拡大
2章 すてきな飲み物ココア
3章 チョコレートの誕生
4章 イギリスのココア・ネットワーク
5章 理想のチョコレート工場
6章 戦争とチョコレート
7章 チョコレートのグローバル・マーケット
終章 スイーツと社会

定期購読している『たくさんのふしぎ』の2021年4月号のトピックがチョコレートで、チョコを作るのにたくさんの発明や技術革新が必要だったことをみて、流れでこの本も読んでみた。この手の歴史記述は、まずだいたい、おもしろくないことはないよね。

  • カトリック修道会の教団運営の資金源として、カカオは不可欠であった。
  • 断食に際して、ココアが薬品か食品か、液体か固体かが宗教的論争になった。
  • イギリスのクエーカーが、ココア・ビジネスを育てた。それはその労働倫理のほか、彼らが自然治癒力やホメオパシーに関心があったらだった。
  • キットカットを生んだヨークのロウントリー社の社長だったベンジャミン・ロウントリーは、チャールズ・ブースの『ロンドン市民の生活と労働』とともに有名な、貧困の社会調査を実施するともに、彼はイギリス社会福祉政策の源流を作りだした人物であった。
  • チョコレートは戦地でも重要な食品で、二次大戦では熱帯地方でも溶けないチョコレートが開発・製造された。

植民地主義と宗教的良心の不思議な絡み合い。クエーカーの質実剛健・社会奉仕的な傾向を考えれば、受験アイテムとしてキットカットを食べるのもまちがっていない?・・・・・・ってこともないか。

[J0168/210617]