副題「日本兵たちの心の傷にいま向き合う」、朝日新書、2025年。
序章 少年兵は幽霊になった
第1章 沖縄とベトナムが壊した人生
第2章 トラウマの歴史と社会への影響
第3章 父が家に持ち帰った心の傷
第4章 第3世代が語る「戦争体験」
第5章 世代を超える負の連鎖
第6章 市民が見た沖縄、原爆、大空襲
第7章 日本軍が外国で残した爪痕
これは重要な一冊。戦争のことだけでなく、人生というものを考えさせる。戦争では虫けらのように人を殺すが、殺した側にものこる戦争トラウマは、やはり人間には人間を本当に虫けらのように扱うのは難しいということもわかる。その体験はずっとその人や、さらに子孫をまで縛ってしまう。
『戦争トラウマ記憶のオーラルヒストリー』の著者、中尾知代さん。「日本軍が与えたトラウマを直視しないことは、自分たちの加害によるトラウマを癒やす機会も失うことになる。・・・・・・復員兵や家族を苦しめる戦闘や加害のトラウマは、相手のトラウマをまず癒やすことで解消する面もあるのではないか。謝罪や償いによって自責のトラウマを癒やすことで、双方が安堵できるのではないか」(278-279)。
>この本の紹介記事
「おやじ何人殺しとんねん…」元日本軍兵士のDVに耐え続けた家族が見つけた“陣中日記”の真実 | ニュースな本 | ダイヤモンド・オンライン https://diamond.jp/articles/-/375631
[J0615/251130]
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