法蔵館文庫、2025年、原著1995年。もともと未完成の遺稿で、谷口が『生長の家』誌を刊行する前半生のところで終わっている。
文庫版まえがき(島薗 進)
第一章 谷口正治
谷神死せず/家系への誇り/谷口正治/殺生/投書少年/文学乞食/耽美への道/カチューシャかわいや/罪な「言葉の芸術」
第二章 世界立替説
紡績工場にて/心霊治療を求めて/世界立替説/霊動にふれる/鎮魂帰神/本田霊学/変態心理的解釈/霊縛と霊眼/綾部の金神さま/キリスト再臨論
第三章 蛇と蛙
紫陽花の君/亀岡にて/美しい人/医書あさり/蛇と蛙/下座の人・西田天香との出会い/武者小路実篤批判/一輪思想をめぐって/大本事件(第一次)
第四章 神を審く
神を審く/幽祖西田天香/「救いは創造主から来るか」/賀川豊彦の宇宙悪/ニーチェとトルストイに学ぶ/人格価値と生命価値/火事と花見/守銭奴/百姓愛道場/創造主はあるか/谷口式自然哲学/真如と無明/菜食主義
第五章 雪溶け
高岡から神戸へ/聖フランシスに倣いて/善中の悪/近江商人西田天香に学ぶ(宣光社的はたらき)/雪溶け/汝が性のつたなきを泣け/信仰革命──心霊主義/浅野和三郎との出会い/心霊研究的時代背景/太霊道など
第六章 生命讃歌
ニューソートとの出会い/ホルムスの思想/無相の神/神想観における観普賢菩薩行法/就職/生命讃歌/天理教祖と大本教祖について/求道者谷口雅春の誕生/世界救済の大導師
第七章 『生長の家』創刊
『生長の家』創刊/精神分析の紹介/生命教としての生長の家/乳母車に雑誌を積んで/生長の家の守護神/如意宝珠/声字即実相/経済倫埋
第八章 甘露の法雨
呪詛の否定/思考万能の思想/神想観の公開/遠隔指導/『甘露の法雨』/『甘露の法雨』と「罪」
解説・あとがき(島薗進)
谷口雅春(1893-1985)の大正から昭和にかけての精神遍歴を描いて、彼が影響を受けた人物・関わりをもった人物の群像は、あたかも当時の宗教界・思想界の一パノラマのような。ウィリアム・ジェイムズやオスカー・ワイルド、トルストイ、ロマン・ローラン、ニーチェ、エマーソン、ニューソートのホルムス。関係のあったのは、大本関係の人物をはじめ、一燈園の西田天香、倉田百三、賀川豊彦、武者小路実篤など。
[J0621/251204]
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