副題「変わりゆく日常」、岩波新書、2011年。

1章 日本人はメディアをどう受け入れてきたか
2章 メディアの利用実態はどう変わったか:一九九五年~二〇一〇年
3章 メディアの「悪影響」を考える:テレビとインターネットをめぐる研究
4章 ネット世代のメンタリティー:ケータイ+ネットの魅力
終章 メディアの未来にむけて

しまったなあ。「若者の意識や行動に対するインターネットの影響」というテーマを考えるのには、この本を最初に読むのが良かったんだな。メディアの影響を捉える視点においても、歴史と現状の双方を扱っている点でもバランスがいい。「ネオファビア(新規恐怖)」の一例である「テレビ害悪論」の議論についても、具体的な先行調査を紹介しながら記述していて、勉強になる。もう10年以上前の本になるけれど、いまでもじゅうぶん薦められる。

〔本ブログで扱った関連書〕
ドン・タプスコット『デジタルネイティブが世界を変える』(栗原潔訳、翔泳社、2009年)
木村忠正『デジタルネイティブの時代』(平凡社新書、2012年)
新井紀子『AI vs 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社、2018年)
バトラー後藤裕子『デジタルで変わる子どもたち』(ちくま新書、2021年)

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