ちくまプリマー新書、2021年.

第1章 人はなぜ服従しがちなのか
第2章 忠誠心は美徳か
第3章 本当に「しかたがない」のか
第4章 私たちは何に従うべきか
第5章 どうすれば服従しないでいられるか
第6章 不服従の覚悟とは何か

将基面さんは『反「暴君」の思想史』(平凡社新書、2002年)も良かったが、本書は、中高生も意識しながら不服従や抵抗の重要さを説く。

ストレートなメッセージをきちんとぶつけて、偉い仕事だ。ただ、僕が同時に気になってしまうのは、この本を読んだ人たちの反応。僕が今いる場所の問題もあるが、思考停止の迎合主義に浸りきっているこの日本の状況で、たとえば「本当に暴力は「絶対に」いけないことなのでしょうか?」という本書の問いかけがどれだけ、どれくらいの人に響くか。どうにも否定的な想像しかできなくて辛い。そういうしかたで、「しかたない」の泥沼に足をとられかかっているのかもしれない。

[J0207/211019]