報光社、2021年。

内容:
牛鬼/影わに/河童(エンコー)/タヌキ・キツネ/猫/龍/鷺・鹿/むくりこくり/えびす/生き神/タタラ/旅人たち/石見銀山の世界遺産登録/ケーレシ・チョマ・シャーンドル/旅人たち・補遺

タイトルから想像される内容とはだいぶちがって、温泉津や石見の伝承を取りあげて、日本各地や世界の神話にまで言及していく、比較神話学のような内容。「南方翁に倣って」とのこと。証明の難しい世界のことであるが、多くの書物を渉猟して、しかも丁寧に出典が示してあるので価値がある。

いったいどういう人だろうと思ってちょっと調べたら、中公新書で『吸血鬼伝承』を出版していて、東欧の伝承にも詳しい方らしい。なるほど。書いておられるブログもおもしろそうなので、これから覗いてみたい。
> ブログ・石陽消息

島根県関係の郷土史本には、レベルの高いものや特色のあるものが多く含まれている。それだけ人物がいるということでもあるだろうし、また島根の歴史や伝承には豊富な材料があるということかなと。

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