ニコラス・ローズ『魂を統治する』(堀内進之介・神代健彦監訳、以文社、2016年、原著初版1989年)。

フーコーの主体性の系譜学を平易なかたちで応用した研究。「はじめに」の文章は、もっともシンプルなフーコー解釈としても読める。

自分として整理すべきひとつの論点として。統治をする側の主体というのか権力の担い手とでもいうべきか、それが特定できないところまではとりあえず良いとして、こうした構図内に近代国家権力をどのように位置づけたら良いものか。国家権力は主体化する権力そのものでもないわけで、じゃあそれがどんな関係にあるのかが、この本をざっと読みしただけでは分からず。フーコーにおいても同様。

ローズの著作では『生そのものの政治学』も邦訳がある。そちらもまたいずれ。

[J0010/170522]