筑摩選書、2011年。超越論的転回、言語的転回、解釈学的転回、コミュニケーション的転回という四つの転回のもとに整理して、現代思想の流れに明瞭な見通しをつける。アーペルはじめ、あれこれも読まなくてはと思わせられる。
第1章 全体の見取り図
第2章 私たちが直面している問題はどのようなものか
第3章 コミュニケーション的転回の哲学的基礎
第4章 現代思想のコミュニケーション的転回
第5章 コミュニケーション的転回の意義
第6章 現代コミュニケーション論概観
第7章 コミュニケーション的転回の問題点
付録 四つの転回を読むためのブックガイド
基本的に、著者の主張は明快で、主旨には納得ができる。細かい疑問。超越論的転回と言語的転回については、自分もそのように整理してきたし、分かる(ただし、名称は認識論的転回と言語論的転回としてきたが)。残りの解釈学的転回と、コミュニケーション的転回は、ちょっと小刻みすぎないかという疑念。
著者によれば、
超越論的転回:存在・モノ・私 → 認識・モノ・私
言語的転回:認識・モノ・私 → 認識・言葉・私
解釈学的転回: 認識・言葉・私 → 認識・言葉・あなた
コミュニケーション的転回:認識・言葉・あなた → 認識・言葉・みんな
・・・・・・とな。
でも、「言語」に注目する時点でその社会的次元や主体の相対化は含まれているわけで、解釈学的「転回」やコミュニケーション的「転回」と、「転回」というのは良すぎではないか。言語論的転回の「展開」とみなすべきではないかと思う。
また、第六章「現代コミュニケーション論概説」は、コミニュケーション論の諸学説をひろく紹介していてとてもありがたい。が、これがコミュニケーション的転回の成果だとすれば、ちょっと些末かもしれない。巻末のブックガイドも親切。著者の高田さんは、もったいぶって出し惜しみをしない人のようだ。
[J0671/260621]
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