中公文庫、2008年、底本は1987年。
中世社会のあれこれの場面を絵巻のように描いて、当時を旅しているような。中央政府中心の歴史記述ではないところがポイントになっていて、近江という場所に限られない味わい。歴史学プロパー向けの説明と、一般向けの説明と、そのバランスが良い感じ。

『今昔物語集』と近江
源氏の内紛と甲賀山
現当二世の利益を求めて
鈴鹿の杣山
内乱のはざまで
石山寺領の人びと
延歴寺王国としての近江
初夏の農村風景
佐々木氏の「奇跡」
地頭の館を訪ねて
百姓の風貌
相伝の下人
魞と鮒鮨
霊場の民
多賀社の祭使・馬上役
番場の宿にて
甲賀の南北朝内乱
観世の能の陰に
鈴鹿山警固役山中氏
木津から今津へ
信楽焼の誕生
蝉丸と逢坂山
村人の資格
ムラの合戦記録
大納言の信楽60日
朽木氏と保坂の関
桑実寺の流れ公方
小谷城の饗宴
川簗をさす人々
民衆の砦
船着場のある城
近世のなかの中世

[J0659/260505]