副題「平安貴族社会の「家」秩序寸描」、岩下哲典・東洋大学人間科学総合研究所編『研究論集 歴史のなかの「しにぎわ」と死後』、戎光祥出版、2025年、50~77頁。
「私荷前(わたくしののさき)」とは、毎年12月に陵墓に派遣され幣物を奉献する公的な荷前にたいして、貴族が私的に実施する追善の営みのこと。本論文は、この私荷前の記録から平安貴族社会の「家」秩序の様子をたどる。この論文が依拠している先行研究は、服早苗論文(『家成立史の研究』)で、著者自身は、摂関期における氏と家は併存する存在だと位置づけているという。
本論文では、藤原氏一族による木幡参詣や、浄妙寺への強訴の様子を史料からたどっている。
本書に言及されている論文のうち、気になるものをメモ。
林屋辰三郎「藤原道長の浄妙寺について」(『古代国家の解体』所収)
堅田修「藤原道長の浄妙寺」(『日本古代寺院史の研究』所収)
西山恵子「藤原氏と浄妙寺」(『京都市歴史資料館紀要』10)
黒羽亮太「円融寺と浄妙寺」(『日本史研究』633)
小林理恵「平安期の墓参に関する一考察」(『奈良女子大学大学院人間文化研究科年報』)
森浩一編『日本文化の探究 墓地』
山田邦和「平安時代前期の陵墓選地」(角田文衛監修・財団法人古代学協会編『仁明朝史の研究』)
[J0662/260507]
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