副題「シチと種子取」、榕樹出版、がじゅまるブックス18、2021年。
著者による『八重山・祭りの源流―シチとプール・キツガン』という研究書の続編だそうで、こちらは小冊子。八重山のシチ祭りと種取祭が、稲作伝来の記憶を伝えていることを明らかにしていく。南の小さな島々にこのような豊かな伝統が伝えられていることに感慨を覚えるが、考えてみれば、少なくともかつては日本列島どこもが小さな共同体、「小さな島々」だったわけで、八重山だけが特殊ではなかったはず。
第一部 黒潮の民と稲作
一 父祖たちの冒険
二 「海上の道」と稲作
三 「新・海上の道」と稲作第二部 首里王府の八重山統治と稲作
一 群雄割拠とアカハチの乱
二 蔵元の開設
三 大阿母の設置第三部 稲作と祭り(一)
一 シチの成立
二 祭りの性格
1 「己亥の日」
2 「年帰し、皆々年縄を引き」
3 「三日遊び申也」
三 シチの変質
1 仏教の伝来
2 シチと柴差
四 神々の運命と行方
1 浮遊する神々
2 カンフチを唱える神
3 里帰りする 神伊原間村
4 祖納カタギとシチ 西表祖納村
第四部 稲作と祭り(二)種子取(祭)
一 予祝歌「アマーオェーダー」(本島真和志村)
二 稲が種アヨーとアマーオェーダー
三 事例「種子取(祭)」―鳩間島
メモ。
「正月で年を取ると言われた時代、つまり「数え年」で年を数えた時代、フルマイ〔「ションガチフルマイ」〕を頂くことで年を取った。子どもの頃、母親や祖母たちはフルマイを頂いたあと、「いくつになったか」と、ニコニコしながら聞いたものである。この理屈でいくと、フルマイを頂く前と後では年齢は異なることになる」(59)。
[J0676/260705]
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