朝日新聞出版、2026年。「スピリチュアリティ」というキーワードで、さまざまな現代的動向を繋いでいこうという、著者自身による試みとして読める。

第一章 目に見えないものにふれる
第二章 死と孤独に向き合う
第三章 新たな教養と痛みとユーモア
第四章 集合的な悲嘆とグリーフケアの集い
第五章 水俣病運動のスピリチュアリティ
第六章 深い悲嘆とそこからの歩み
第七章 自助グループとスピリチュアリティ
第八章 居場所のない自己からの歩み
第九章 機能不全家族とアダルト・チルドレン
第十章 孤独な魂の癒しと旅立ち
第十一章 疎遠な世界と無垢な少年の心の痛み
第十二章 閉ざされた世界への抗いと脱出
第十三章 子ども・若者の自殺の背後にあるもの
第十四章 新たなケアの形とスピリチュアリティ
第十五章 当事者と支援者の心の居場所探求

1980年代以降の「自己変容のスピリチュアリティ」から、「痛みとケアのスピリチュアリティ」へという、著者の見方。その上で。

「見えてきたことは、「自己変容のスピリチュアリティ」と「痛みとケアのスピリチュアリティ」は新しいスピリチュアリティの異なる側面と捉えることができるが、重なり合う部分も大きいということだ。これは「救い」の信仰と併存する新たな精神文化のあり方であり、広い意味での苦難の分かち合いや祈りや修行の様態というように捉えることもできる。宗教と結びついて経験されることが多かった象徴的な「死と再生」の新しい形でもある。それはまた、専門職と生活者やボランティア、当事者と支援者の双方の痛みとケアの活動であり、癒しや自己変容を求める精神文化の動向だと言えるだろう」(234)。

[J0693/260918]