宇和町教育委員会・宇和郷土文化保存会、1997年。
1 正月行事
初詣で/若水汲み/年取り儀礼/年始(正月礼)/仕事はじめ/注連飾りの始末/山の口開け/七草/追山行事/成人式/小正月と行事/左義長/念仏の口開け/お般若/お日待/藪入り/寒の餅/旧正月/でこまわし
2 二月行事
初朔日/消防団の出初式/節分/伊勢講/伊勢踊り/金毘羅講/涅槃会/岩木部落の麦祈祷
3 三月行事
雛節句/お社日/河内谷組のお般若/彼岸/大安楽寺の水まつり/四国遍路/接待
4 四月行事
西林寺の祖先供養/灌仏会/悪霊除けのお祓い/春まつり/伊延西の田神様/レンゲまつり
5 五月行事
労働祭/八十八夜/農道づくり/端午の節句/苗ごもり/みのかさ夜市
6 六月行事
ハヤリ正月/歯固め/夏至
7 七月行事
山開き/石鎚講/田休み/郷内部落の作祈祷/御田植祭/半夏生/王子神社の夏まつり/土用/岩木部落の稲祈祷/輪抜け/岩木部落の風除け祈祷
8 八月行事
宇和文化の里まつり/七夕/明石寺の縁日/観音水まつり/田苗・真土の水まつり/盆と行事/盆飯/福楽寺の十七夜/宣綱様の供養/虫送り/風ごもり/大梅寺の流灌頂
9 九月行事
八朔/体育祭/敬老会/月見/月待ち/山刈/秋彼岸
10 十月行事
農道づくり/池干し/秋祭り/夜なべ
11 十一月行事
産業文化祭/亥の子/七五三の祝い/籾摺り/虫供養/大師講/蛇霊供養/甲子様/愛宕様
12 十二月行事
オモウシ/針供養/八日吹き/巳正月/念仏おさめ/念仏講/学芸会/冬至/クリスマス/伝教大師の供養/しめん講/三瓶神社の御衣祭/煤払い/正月餅搗き/歳の市/注連飾りつくり/注連飾りつけ/大晦日
西予市の宇和民具館で購入した小冊子。宇和町とは2004年まで存在した自治体で、今は西予市の一部となっている。内容は、まさによくある伝統行事の年中行事の記述だが、こういう冊子をただ眺めるのが好き。
目についたところでは、大般若を繰ったりそれを入れた櫃を担ぐ「お般若」や、端午の節句に江戸時代にはあったらしい「印地打ち」、地方の城主・宇都宮宣綱の供養など。盆踊りに関して、目連の伝説と結びつけた起源譚があるとか。
多田の大梅寺には、船を池に流す系・精霊流し系の「流灌頂」行事が8月にあるとのこと。
四国と言えばお遍路で、旧・宇和町にも明石寺があるが、地元ベースの行事をみると、お遍路関係のものはほとんどない。他の土地の巡礼・巡拝もだいたい似た印象があるが、高橋渉先生(「「参詣」の形態と構造」1979年など)が指摘しているとおり、地域的な信仰形態と巡礼的な信仰形態は、重なりあいながらも多少なりとも明瞭な区別が存在している。
[J0423/231112]
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